インプラント対談その2

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インプラント対談その2 歯科放談第一弾 インプラント談義

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誤った努力

ヨルグ:
きぬた先生は会話の中で「歯科医師は誤った努力をしている」と時々おっしゃっていますが、これはどういう意味ですか?
きぬた:
一つの例を述べます。10年以上前でしょうか、埼玉の歯科医院での勉強会に行った時の事です。
その昼食時に、私のいるテーブルで他の歯科医師達が白熱した会話をしていました。
「今日、講義をした先生はリンデの娘婿なんだよね。だから今、売出し中なんだよ。」 「スウェーデンの〇〇大学で、〇〇先生から目をかけられて出世したんだって。」などなど。
私はその話を聞いていて、気が滅入ってしまいました。
ヨルグ:
どうしてですか?(笑)
きぬた:
その時の講義は、基礎研究の話が主体で、臨床には全く関係がなく、退屈なものでした。それに加えてリンデが出てきたからです。リンデは、国家試験に出題される「リンデの法則」程度の人物だとしか思っていませんし、そもそも、リンデに娘がいるとか、どうでもいい話です。
ましてや娘婿の存在をどうやって知ったのでしょう。遠い異国の地の歯科医師の家族構成なんて、少なくとも我々の日々の診療には、何ら関係のない話です。
ヨルグ:
確かにそうですね。
きぬた:
そういえば最近、知り合いの歯科医師から「マクラーレン先生とかアムステルダム先生に会った事がありますか?」と聞かれました。
私は、車には全く興味はありませんが、マクラーレンは車のメーカーか何かという認識しかありませんし、アムステルダムはオランダの首都だという事しかわかりません。 ところが、そうではなく有名な歯科医師の名前だというのです。しかもその先生方から教えを乞う事は名誉な事であると。
ヨルグ:
そうですか。
きぬた:
本当に素晴らしい技術、情報であればあっという間に、全世界に広がります。
また欧米というと、日本人は憧れる傾向にありますよね。 しかし、歯科技術に関してはどうでしょうか?
日本人の方が器用だと思いませんか?
当院でもよく、ドイツやフランス、イギリス、アメリカで治療を受けた、日本人の方々が来院されますが、大体、雑に治療されています。欧米人は手がゴツイいうか、不器用なのではないでしょうか?
日本人歯科医師の方が、繊細だと思いますよ。
技術も感性も。日本の歯科医師も、もっと自信を持って欲しいと思いますね。どう思われますか?
ヨルグ:
私はスイス人で、欧州の人間ですが、確かに日本人の技術や感性は細やかですね。それは医療に限らず、例えばフランス料理にしても、現地で食べるよりも、日本の方が繊細な味を醸し出しています。
きぬた:
兎に角、最終的に、患者さんが恩恵を受けるかどうかでしょう。
リンデの娘婿やマクラーレンさんの話や、ロッテルダムだかアムステルダムさんだかの話を聞いた歯科医師が、劇的に診療スタイルが変わって、患者さんが殺到したという話は全く耳にした事がありません。むしろ逆でヒマな歯科医院の方が多い様な気がします。
そもそも、新しい話には飛びつかない方が良いと思います。
ザイゴマやディストラクションも海外から日本に導入されましたが、今や、風前の灯ですよね。結局、色々問題が噴出したからです。怖い話です。
ヨルグ:
確かにそうですね。
きぬた:
私の人生が150年位あれば、無駄な時間に付き合うのですが、人生に残された時間は早々多くはありません。ですから効率の良い、つまりは自分の医院に来院されている患者さんに出来得る、最大の貢献を考えるべきではないでしょうか?
勉強という名のもとに、海外で日本人歯科医師同士、飲み会やゴルフなどに興じている暇があれば、日本に居て、自分の医院の掃除でもしていた方のが、患者さんの為ではないでしょうか?
ヨルグ:
一部の先生方には耳の痛い話ですね。
きぬた:
当院は毎月、2500名以上の患者さんが来院され、年間2000本のインプラント治療を行う国内屈指のインプラントセンターです。それだけ、他の医院よりも多くの方々からの支持を受けているという意味で、私の言っていることに間違いはないと確信しています。

 

インプラント対談の風景

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